近場?辺境?どこ行こう日記

縮めてチヘド日記

ターニングポイント、初の峠・大垂水峠(後編)

行くんだ、相模湖へ!

目に焼き付けておけよ

ラーメン屋から見える景色はいいぞ

よ「相模湖行きたいです!」

そう、心身ともに元気があふれていた私大垂水峠を反対に下って、相模湖を見たいと思ったのだ。

みかんさんはおそらく私の体力を考慮して、だいじょぶかな?的な反応を示したけれど、乗り気ならいいかと賛同してくれた。

先にみかんさんが下っていく。ん、ちょっとこれ、速くない?えっあれ。

み「ヒョー」
よ「ちょ、ちょっと速い
み「そう、先に行ってるからゆっくりおいでー」
よ「え、あ、う、うん」

下り方が、よくわからない。車道に出すぎたら危ないのではと、小石や枝で道の悪い路肩をがたがたと進む。あ、危ない。ハンドルがうまく効かない。

そうこの時点で私、未だにハンドルを使って曲がろうとしていたのです。スピードが出てる危ない。

でも、みかんさんはこれよりもっと速いスピードでシューッて下っていったから、これくらいのスピードでいいの、か?う、わ。やばい、やばいやばいやばいやばい。全然曲がれなやば-----

RA☆KU☆SYA

曲がりきれずガードレールにぶつかりそうになったので、無理やりハンドルを右に切る。と同時にバランスを崩し、転がりながら落車

幸運だったのは、一切車が通っていなかったこと。

地面に倒れ伏したけれど、ここは車道だと脳が警鐘を鳴らし、すぐに起き上がり散らかっているスポドリ、アイフォンを回収。

自転車を起き上がらせ、左側のガードレールに持たれかけさせる。自分も持たれる。一呼吸遅れて、恐怖と悲しみで涙があふれてくる。右足も痛い。みかんさんから心配の声がかかる。

み「どした。もしかして落車した?」
よ「ぬ"う"う"う"う"」
み「今行くから待ってて」
よ「ん"ん"ん"ん"」

正直、落車した時の記憶は曖昧だが、転がったとわかった理由は、ボトルホルダーに差していたスポドリがすっ飛んでたのがコマ送りっぽい感じで見えたから。あまり理由にならないけど多分自分は転がったと思う。

み「だいじょぶ?」
よ「ん"ん"ん"ん"」
み「痛い?」
よ「あ"し"い"た"い"」
み「反対側のところで休んでて。俺は自転車が走れるか見てみる」
よ「ん"ん"」

車の往来を見計らって、反対側へ。あ、めっちゃ右足痛いわこれ。びっこ引きながら急いで移動。なにをやっているんだろうか私は。足の痛みと精神的に立っているのが辛いので、座り込み。恐怖と混乱で呼吸が全然収まらない

がんばって自転車の調子を見てくれているみかんさんを見る。申し訳なさで追い涙。私は何をやっているのだろう。こうしている間にも、しゅんしゅん車は通るわけで。そして登ってきたランナーさんに挨拶された。ちゃんと返した。この道走るとかつよいですね。

そんな中、体の痛みと落車の精神的ショックで座り込んでいる私は、一体何をしているのかと

峠に来るのは早すぎた?そもそもスポーツバイクに乗っている自覚が足りなかった?事前に下り坂の下り方を調べておくべきだった?スポーツバイクについてもっと調べておくべきだった?スポーツバイクを知らなさすぎた?色々な思いがぶわぶわと湧き上がってくる。

しかし、もう後の祭り。私は落車したという事実はもう変えられない。この恐怖は薄めることは出来るかもしれないけれど、ずっと心に残ると思う。

自分を一通り責めた後、みかんさんへの申し訳なさが襲ってくる。心が何年も使い続けたぼろ雑巾を燃やしてカスみたいになったところで、調整を終えたみかんさんがこっちに来る。

み「ディレイラー曲がっちゃったけど、一応走れそう。変速はあまりしない方がいいね。またスポークにがつがつぶつかって走れなくなっちゃう。」
よ「ん"ん"」
み「足はどう?」
よ「い"た"い"」
み「どんな感じ」

サイクルウェアを捲くる。右足に縦に切り傷、打撲痕が2箇所ほど。めっちゃ青い。幸運だったことはヘルメットを被っていたこと。輪行セット×2を詰め込んだリュックを背負っていたこと。長袖長ズボンだったこと。これで傷はだいぶ抑えられたんだと思う。

もしヘルメットを被っていなかったら、リュックを背負っていなかったら、長袖長ズボンじゃなかったら…。本当に最悪な事態になってた可能性がある。

み「おぉ」
よ「ひどい」
み「足ついて歩ける?」
よ「つま先しかつけない。かかと痛い」
み「ぬぅ」
よ「なんか両手がこわばって動かないよ」
み「それは突然大きい衝撃が来たからじゃない」
よ「そうなんか。こわい」
み「もうちょっと休めばきっとだいじょぶ」

真っ白に燃え尽きた明日のジョーばりの悲壮感を漂わせながら引き続き休んでいると、

ロ「だいじょぶですかー!
よ「?!」
み「あ、だいじょぶですー。はい。」

登ってきたローディーさんが声をかけてくれた。優しい…。ローディー間の優しさでさらに涙がで、出ますよ。絶賛涙腺決壊。そして、私は何やってんだのループ。

手のこわばりも無くなってきて呼吸もだいぶ落ち着いてきたので、とりあえず下山を続けてそこから私の体調次第で輪行で帰るか決めることに。

でもまず下山したら、足の怪我がそこそこ悲惨なので、コンビニで消毒液と絆創膏がほしいですかね。と言うわけで下 山 開 始 。

も~~~~~~~~~うさっきの出来事が頭にこびりつきまくってるから、怖い怖い怖い怖い。嗚咽と涙を流しながらクソ遅い速度で下山。それでも怖いんだからどうしようもない。

そして意外と長い下り坂に心がどんどん灰になっていく。もう吐きそうだ。なんでこんなことしてんだ。車に乗って帰りたい

そこら辺で横になりたい。早く終わってくれ。隣を通る車が怖い。早く。早く。…終わった!っぽい!でもコンビニが見当たらぬ。停車してみかんさんがスマホでコンビニ検索してくれる。心が回復してないので、また申し訳なさで涙どばば

み「どした。足痛い?」
よ「足"引"っ"張"っ"て"こ"め"ん"ぬ"」
み「いいって」

痛みはまああるけどそんなに気にならなくて、うまく下山出来なかった悲しみとうまく一緒に楽しめなかった申し訳なさでたくさん涙が出る。だらだらひたすら垂れ流す。

涙を垂れ流すと、負の感情も一緒に流れ出るような錯覚に陥り、だんだんと心も落ち着いてくる。その結果、もうやっちまったもんはしょうがないから、今は相模湖に行こう!というテンションに切り替わった。

み「え、行く?」
よ「足は多少痛いけど、せっかく下りてきたんだし、相模湖を眺めたい」
み「そか。コンビニも湖の近くにあるし、そうしようか」
よ「うむー。それから輪行で帰るかどうかも決めよう」
み「そうね」

よしコンビニに向けて出発~~。ってあああああああ!!!また登りかよおおおおあああああああ!!! ただの上り坂だけど、今のメンタル的にフラッシュバックするから止めてくれよ…。

ヒィー下りィー!!下ハンを握ってしっかりブレーキが利くようにする。地面が近いとか関係ない。別に地面が近いのは怖くないしさ。バイクを制御出来ない方が怖いよ。

あと尻をサドルの後ろの方に持っていって、重心を下にするよう心がける。バイクが操作しやすい位置を心がける。亀の歩み速度だけど、本当に申し訳ないけど今は許して。

心がぺきょってるから、車道はなるべく走りたくないという私のクソみたいな要望により、走れそうだったら歩道を走ることに。

車道と比べてアップダウンがあったりして疲れるんだけど、車と一緒に走りたくないという思いが勝ってしまった。

その後、転ぶことはなく相模湖前のコンビニに到着(ファミファミマー)。クッソ炎天下の中、足を消毒、絆創膏貼りをして、ついでに甘いもの補給。ヤケクソモードになったとはいえ、気分を多少でも上げるために、ご褒美的な感じでmgmg。

コンビニのガラスに大量に張り付いていた

ウスバカゲロウ先輩!

相模湖~到着~

テンションがいつもの60%くらいになってきたので、相模湖へとことこ。あ~サイクルラックないのですね~。

ママチャリとかを止める所はあるけども、う~むうまく置けなさそう。相模湖の敷地内は自転車乗り入れ禁止だし、うむむ、遠めに見て満足するとするか。

して、帰り道は私が前を走ることにした!いつも引っ張ってもらってるからね。全体的にボロクソなのは変わらないから、歩道をゆっくり走ることに。わかっていたけど、歩行者と段差がしんどいしんどい。大人しく輪行で帰るべきだったのかも…

微妙な段差で右カカトが非常に痛むし、これは骨案件かもしれんのか…。途中で無線が充電切れになり、孤独な時間が始まった。後ろにいるのはわかってるんだけど、ずっと適当な雑談しながら走ってたから、なんだか寂しい

ハンドサインを駆使しながら確実に進んでいく。突然車が曲がってきたのでサインが間に合わず急停車したら、みかんさんとぶつかってしまった。暗いのと寂しいのを押さえ込みながら走っていたけど、軽い衝突で心がポキリ。

よ「ん"ん"」
み「また心の汗出てる
よ「ぶつかった」
み「少しよそ見してた俺も悪かったよ」
よ「ん"ん"」

どうにかこうにか家に辿りついた。前回の飯田牧場は熱中症になりかけて、今回は落車で、遠距離を走るとまともに帰ってこれんのか私は。自転車に乗るのが下手なのか、向いていないのか、悲しいなあ。